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東北地域農林水産・食品ハイテク研究会

事業計画事業計画

令和元年度 事業計画

1 企画委員会、役員会、総会・講演会の開催
  

1)企画委員会       令和元年6月14日(金)(仙台市)
2)役員会         令和元年7月17日(水)(仙台市)
3)第26回総会・講演会  令和元年7月17日(水)(仙台市)

2 産学連携支援に関わる各種事業の展開
  

 わが国農林水産・食品産業の成長産業化を通じて、国民が真に豊かさを実感できる社会を構築するためには、農林水産・食品分野と異分野の連携により、革新的な研究成果を生み出すとともに、それらをスピード感を持って事業化・商品化に導く必要がある。
 そのため、農林水産省では平成28年度より新たな産学連携研究の仕組みである『「知」の集積と活用の場』を立ち上げ事業の展開を図っているところである。また、研究支援に関しては、平成30年度から「イノベーション創出強化研究推進事業」を立ち上げ、本格的な産学連携研究の推進と事業化・普及を試みている。さらに、平成30年度から新たに、「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」および「スマート農業加速化実証プロジェクト」が2年間の事業としてスタートし、東北地域からも多くの応募があり、10件が採択されている。
 産学連携支援事業を推進するために当研究会では、農林水産・食品分野の高度な専門的知見を有する3名の中核コーディネーターと17名の専門型コーディネーターを配置し、生産者、企業、研究機関との産学連携の支援に務めている。具体的には、『「知」の集積と活用の場』と連携しつつ、研究の初期段階から民間企業を含む産学官の関係機関が密接に連携した産学連携研究を促進し、早期に事業化・商品化を実現できるよう支援するなど、マッチング支援、研究開発資金の獲得支援、事業化・商品化支援に重点を置き以下の事業を実施する。


1)ニーズ・シーズの収集・提供

@ 生産者、農業団体、農業関連組織や民間企業へ訪問等を行い、技術的課題、研究開発ニーズを収集・把握するとともに、農政局、自治体、産学連携支援機関等を訪問し、地域の技術的課題を収集・把握する。

A 作物品種に対する新たなニーズとしては、業務用米、低アミロース米、高アミロース米等、新たな機能を持った米の品種、もち小麦、麺適性をもった小麦品種、機能性が高い大豆品種、東北北部地域での栽培適性をもったそば品種へのニーズが高い。これらのニーズの把握は、コーディネーターが有する農業法人、集落営農組織、普及組織とのネットワークを利用して把握する。

B その他の技術ニーズとしては、大規模水田作の安定化に寄与できる野菜等の複合作物、麦・大豆に替わる超低コストな転作作物の栽培技術の開発が期待されている。特に現在先端プロで技術実証を行っている子実とうもろこし、春タマネギ、ブロッコリー等について生産者のニーズなどを把握する。

C 現在、スマート農業加速化実証事業の実施により、スマート農業技術に対する関心は急速に高まっている。しかし、スマート農業技術については、農水省事業でかなり高額な機械を利用した営農システムの実証が行われる一方で、多くの農家は安価で手軽なスマート農業技術を求めていることがコーディネーターの調査で明らかになっている。

D 研究機関や大学、民間企業への訪問・面談により生産者や企業のニーズにマッチした最新の技術シーズの収集・把握を行う。収集した技術シーズについては、活用可能な技術を相談者等に対し適宜紹介し、民間企業等の事業化や農業のイノベーションに向けた研究開発を支援する。なお、技術のシーズについては東北ハイテク研と東北農業研究センター産学連携室が月1回定例で行う意見交換会で把握する。

E ニーズ・シーズの収集・提供は、基本的には中核型コーディネーターや非常勤型コーディネーターによる訪問・面談により行う。必要に応じ、収集したニーズ・シーズをテーマにしたセミナー等を開催し関係者のマッチングを図る。

F ニーズ・シーズの収集・提供について、年間100件以上(平成30年度135件)を、セミナーについては、年間10件程度(平成30年度11件)実施する。

2)マッチングの支援

 マッチング等の相談者に適切な対応を行うため、中核型コーディネーター や非常勤型コーディネーター により面談並びに関係機関等への訪問活動等を行い、案件の内容に応じて適切な研究機関やパートナー企業を紹介するとともに、利用可能な国・県・市町村単位の支援事業、競争的事業化資金・研究資金の紹介などを行っている。以下のような重点的な取り組みを実施する。

@ 必要に応じ、JATAFFの「事業化可能性調査」制度の活用により、関係者によるセミナーを開催し、競争的研究資金の獲得や研究成果の円滑な移転促進を図る。

A 平成28年度に国立研究開発法人東北農業研究センターと連携協定書を締結しており、東北農業研究センターで開発した研究成果等について民間企業、農業経営者、生産者団体等とのマッチング支援を積極的に行う。

B 東北農業研究センターが育成したもち小麦品種「もち姫」の普及・拡大を目指す「盛岡地方もち小麦の郷づくり研究会」の設立(平成29年5月)を支援した。研究会は岩手県盛岡農業改良普及センターや全農岩手県本部、岩手中央農協、農研機構東北農業研究センター、パン製造企業などが参加し、もち姫を中心とした盛岡地域の農業の活性化を目指している。この研究会活動を今後も継続的に支援していく。このような取り組みは、岩手県奥州市で東北農業研究センターが育成した小麦新品種でも行われようとしている。

C 今後は、銘柄米の生産が難しい地域の生産者を対象にして、低アミロース米、高アミロース米等、特徴をもった品種の普及を支援していきたい。また、東北農業研究センターが育成した業務用米品種「ちほみのり」「ゆみあずさ」などの新品種の普及にも取り組む予定である。さらに、福島県が育成したいちご品種についても農家、関係者を対象としたセミナーを開催しその普及を支援した。また、東北地域におけるさつまいも生産の普及のための活動も展開する予定である。支援方法としては、生産者への新品種の紹介、試食などによる企業、消費者へのPRと、試食アンケート結果の研究者・生産者・事業者へのフィードバックを中心に行う。

D マッチングは、主としてCDによる生産者・企業・研究機関への訪問とセミナー開催+試食会という形で行う。これまで、東北農研が育成したもち小麦品種「もち姫」、岩手大学が育成した大豆品種「貴まる」、高アミロース米については、企業へ紹介を行い商品化につなげる。

E マッチングは簡単にできることではなく、継続的な取り組みが必要である。平成31年度はこれまでマッチングに成功した上記の3件の取り組みを継続的に支援するとともに、新たに業務用米品種としての「ちほみのり」「ゆみあずさ」の普及、低アミロース米、高アミロース米を利用した商品開発、子実とうもろこしの栽培技術の普及、さらには北東北向けのそばの新品種「夏吉」、薬草、東北地域に適したいちご、さつまいも品種・栽培法、地元食材活用法の普及等に取り組みたいと考えている。

3)競争的研究資金への応募・獲得支援

@ セミナー等を開催し、農水省の競争的資金に係る制度の紹介、応募書類の作成等について指導・助言を行うとともに、個別相談会を年2回、また適宜応募相談に応じて、研究グループ参画機関の紹介、応募書類のブラッシュアップ等の指導・助言を行う。なお、研究機関などからセミナー等での講演等の要請があった場合は、積極的に出向いて競争的研究資金の内容、応募・採択に向けてのアドバイスを行う。

A 相談者等へは、中核型コーディネーター及び非常勤型コーディネーターが主として対応しているが、案件によっては外部の専門家に協力を依頼する。なお、採択された課題については、必要に応じ、当該研究課題のPOとの連携や研究支援者、アドバイザーの立場でフォローアップを行う。また、不採択になった課題については、不採択理由の解析・対策の明確化・再チャレンジへの支援を行う。

B 今年度は、競争的資金への応募支援を10件以上行う。

4)商品化・事業化の支援

@ 商品化・事業化の支援については、東北ハイテク研のCDに専門家がいないため、東北農政局の各県にある6次産業化相談窓口ならびに東北各県の6次産業化サポートセンターとの連携を強化していきたい。さらに、東北各県で活動している6次産業化アドバイサーとの連携も強化していきたい。

A これまでJATAFFの「事業化可能性調査」制度については、主として競争的研究資金の獲得を目指して活用してきたが、今年度は研究成果の商品化・事業化を支援するという視点からも活用を検討したい。また、これまで岩手県中心に6次産業化、農商工連携を支援する制度を活用してきたが、今後は青森県、秋田県、山形県、宮城県、福島県における同様な制度の存在、利活用条件などを整理してPRする。

B 要請があれば、商品化・事業化を成功に導くためのビジネスモデル開発に対する支援、消費者調査なども支援していきたい。

5)セミナーの開催

平成30年度のセミナー等の開催回数は11回で参加者総数は470人であった。
開催場所は岩手県7か所、宮城県2か所、山形県1か所、福島県1か所で、東北ハイテク研が所在する岩手県が中心であったが、平成30年度は山形県、福島県で開催することができた。今後は、広く東北管内での開催を企画していきたい。目標とするセミナー回数は10回以上とする。令和元年度の開催計画は以下のとおりである。
・東北地域の産学連携セミナー・相談会
(於:仙台市、開催時期7月と1月、参加人数は1回の開催で80名。)
・競争的研究資金獲得セミナー
(東北ハイテク研事務室、12月、目標10課題。)
・普及技術セミナー
(もち小麦、大豆品種、特徴がある水稲品種、そば、いちご、さつまいも、薬
草等の品種の普及・加工・商品化に関するセミナーの開催、6回、開催場所は各産地、東北農業研究センターを予定、1回のセミナーの参加人数は20〜30人前後。開催時期は8月〜翌年2月。)
・担い手・地域づくりセミナー
(開発技術の普及の担い手となる経営者、地域リーダーを対象としたセミナー
の開催、年2回以上、開催場所は東北各地、1回のセミナーの参加人数は20名前後。開催時期は11月、12月。)

6)『「知」の集積と活用の場』産学連携協議会の研究開発プラットフォーム設立・既存プラットホームへの参加の支援等

@ 平成28年度に東北大学で採択となっている研究開発プラットフォームと連携協定書を締結しており、関係者による会議等を通じニーズの収集、要望等に対して積極的な支援を行う。本年度もそれぞれの組織が企画するセミナーへの参加などで情報交換を行い、連携のネットワークを強化する。

A 東北地域は、その他の地域と比較してこれまで、『「知」の集積と活用の場』産学連携協議会の研究開発プラットフォームの形成は2件と少なかったが、平成30年度から始まる「イノベーション創出強化研究推進事業」についてのPRと応募相談機能を強化したため、「「東北農業のイノベーション技術創造」研究開発プラットフォーム(農研機構東北農業研究センター)」と「ALSVベクター技術を活用した果樹・野菜・花卉類のスマート育種研究開発プラットフォーム(岩手大学)」「先端技術活用による次世代型農林水産・食品産業創出プラットフォーム」の3件が設立された。

B 今後も積極的に研究開発プラットホームの設立を支援するとともに、研究コンソーシアムの設立と競争的研究資金事業への応募を支援していく。

7)スマート農業の定着支援
 昨年度は、スマート農業加速化実証プロジェクトへの応募を東北農政局と一体で支援し、東北地域全体で、10件が採択された。本年度は、要請があれば採択された課題の実践活動を支援する。特に東北ハイテク研の事務局長は、スマート農業加速化実証プロジェクトの経営データの収集・分析に関わる評価委員も務めており、様々な相談に対応するとともに、講演などの場でスマート農業の意義を発信する。


東北地域農林水産・食品ハイテク研究会

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